お金の使いどころを、間違えないでください。
リノベーションの打ち合わせで盛り上がるのは、キッチンのグレードや床の色、壁紙の柄です。楽しいところですし、暮らしの満足度にも直結します。
でも私たちが「ここを削らないでください」と言うのは、いつも見えなくなる部分です。断熱材、防水、構造補強。壁を閉じたら二度と見えないし、あとから直そうとすると、また壁を壊すことになります。
壁を開けるのは、一生に一度あるかどうか。
築40年の家の壁を全部開ける機会は、そう何度もありません。その一度で、入れられるものは全部入れておくべきです。
断熱材を入れる、耐震の金物を付ける、配管を新しくする、防水をやり直す。全部、壁が開いている間なら追加の解体費がかかりません。あとからやると、解体費と内装のやり直しがもう一度必要になります。
だからまるごとリノベーションは、単品の工事を足し算するより結果的に安く済みます。
削るなら、あとから替えられるものから。
予算が足りないときに削る順番は決まっています。あとから替えられるものから削ります。
キッチンのグレードは、10年後に本体だけ替えられます。床材も、上から張れます。建具はシートを貼り替えれば使えます(替えるか直すか)。
逆に断熱・防水・構造は、あとから触ると解体からやり直しです。だから最初に確保します。
見えない工事こそ、写真を残します。
壁を閉じたら見えないからこそ、工程の写真を全部残して共有します。断熱材がどこにどう入ったか、金物がどこに付いたか、配管をどう通したか。
専用アプリで工程と写真を共有しているので、お客様は現場に来られない日でも中で何が起きているか見られます。「見えないところは適当にやられているんじゃないか」という不安を、記録で消します。


